『鉄の涙』   田中章滋

永遠に向かって開閉する 函数の扉

そこでは無限回の谺が反復する

去ってしまったものを 待機し続ける真理の山

瞬きの瞬きの瞬き

 

そこに沈黙の砂と

鉄の涙が

水銀の海に溶け合っている

 

荒れ野に光る涙の粒子は

絶対零度に耐える胚種

月面の棺に眠る単子

 

記憶に纏いつく

ある光景に纏いつく

オンパロスの彼方

単子よ目覚めるなかれ

そして繭玉 の中でお眠り

或いは夢の飛沫を象って

遊星の雲の中に身を隠しておいで